京都工芸繊維大学

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来る4月19日、第28回DGRC公開セミナーを開催します

国立遺伝学研究所から広海 健さんと北野 潤さんをお招きし、下記の要領で公開セミナーを開催します。
 皆様のご来場をお待ちしています。

日時: 2013年 4月19日(金)午後3時から5時
会場: 京都工芸繊維大学松ヶ崎キャンパス3号館1階講義室0311室
(京都市左京区松ヶ崎御所海道町)

第一部
講演者:広海 健 博士(国立遺伝学研究所・発生遺伝;総研大・遺伝学専攻)
タイトル:境界を越えて--- ある科学者の旅
要旨:
 世界には様々な境界があります。国と国の間だけでなく、分野、文化、あるいは「物の考え方」にも境界があります。境界には移動を妨げる「障壁」があることが多く、境界を越えるにはエネルギーが必要です。しかし、境界を越えると、別の世界が経験でき、新たな視野が生まれます。
 このセミナーでは、私が超えた境界についてお話します。また、神経細胞の突起(軸索)に存在する境界についてもご紹介します。昔から、軸索の中程には軸索ガイダンス受容体などの分子局在の境界があることが知られていましたが、「なんのために」「どうやって」境界ができるのかはこれまで取り上げられたことはありませんでした。なにか「メンタル障壁」があったのかもしれません。

第二部
講演者:北野 潤 博士(国立遺伝学研究所・生態遺伝学;総研大・遺伝学専攻)
タイトル:トゲウオにおける種分化と表現型多様化の生態遺伝機構
要旨:
 どうやって新たな種が生まれるのか。生き物がどのようにして多様な環境に適応していくのか。生物多様性進化を巡るこれらの問いに対して、我々はトゲウオなどの魚類を用いながら迫ることを目指しています。表現型変化に関わる遺伝子は、実験モデル生物において多く同定されてきましたが、野外生物における種分化や適応進化の分子機構は多くが未解明です。また、原因対立遺伝子が野外集団内でどのように広まっていくのかについても多くが未解明です。これら生態遺伝機構を解明するために、我々はフィールド調査による地道な記載研究から始まり、ゲノミックスや遺伝子工学、生態実験などを統合的に用いて研究しています。本講演では、野外トゲウオにおける適応進化の原因遺伝子が集団に広まって行く過程を研究した例、地理的隔離が性染色体の変化ならびに種分化を引き起こした研究等、自らの研究例を紹介しながら、いかにして分子レベルの研究とフィールド調査を統合していけば多様性の謎に迫れるかについて、聴衆も含めて活発に議論/討議できればと思います。

司会:高野敏行(Kyoto DGRC)

〒616-8354 京都市右京区嵯峨一本木町1 Tel: 075-873-2660(代) / Fax: 075-861-0881 / jpn-fly@kit.jp Copyright © Drosophila Genetic Resource Center. All rights reserved.