第1回ナショナルバイオリソースプロジェクト     「ショウジョウバエ」運営委員会議事録 日時:2002年8月24日 14:00〜18:30 場所:京都工芸繊維大学ショウジョウバエ遺伝資源センター 会議室 出席者:布山喜章(東京都立大学教授)、上村匡(京都大学教授)、 木村正人(北海道大学教授)、多羽田哲也(東京大学教授)、 高野敏行(国立遺伝学研究所助教授) 山本雅敏(京都工芸繊維大学ショウジョウバエ遺伝資源センター教授)、 上田龍(国立遺伝学研究所教授)、松田宗男(杏林大学教授)、 和多田正義(愛媛大学助教授) 都丸雅敏(オブザーバ、京都工芸繊維大学ショウジョウバエ遺伝資源 センター助手)、 石川均(オブザーバ、京都工芸繊維大学研究協力室専門員)、 森下直也(オブザーバ、京都工芸繊維大学研究協力室主任) 欠席者:大坪憲弘(オブザーバ、文部科学省学術振興局ライフサイエンス課専 門官)  議事に先立ち、研究代表者の山本氏より、本運営委員会の設置の経緯につい て以下のような説明があった。 (1) 運営委員会の設置は、事業実施主体である文部科学省研究振興局の指示に よる。 (2) 文部科学省から示された指針(研究運営委員会の概要)にもとづき、運営 委員会の構成は、課題関係者および外部有識者とした。 (3) 外部有識者の選任は、同上指針により、中核機関の責任で行った。  次に、本会議の委員長、委員長代理及び書記の選任を行い、委員長に布山委員、 委員長代理に山本委員、書記に都丸オブザーバが選任された。 報告: 1. ナショナルバイオリソースプロジェクト「ショウジョウバエ」の発足の経 緯の概要(申請と採択内容)が、山本委員より報告された。 2. ナショナルバイオリソースプロジェクト「ショウジョウバエ」の現在の状 況(委託契約や予算)が、京都工芸繊維大学(中核機関)研究協力室 石 川専門員より報告された。 3. 事業内容と実施体制が、課題関係者(山本、上田、松田、和多田各委員) より報告された(審議は議題にて行われた)。 4. 運営委員会の任務等について、本プロジェクトの諮問機関として、ショウ ジョウバエ系統の収集・維持・保存に向けて適切な助言、提言が求められ ていることが山本委員より報告され、その目的に向けての事業計画の承認、 収集系統の大枠の決定、次年度の申請への意見のとりまとめ、国内ショウ ジョウバエコミュニティの意見を取り入れる方法などについて意見を交換 した。 議題: 1. 事業計画  事業の全体計画と今年度の実施計画が承認された。 2. 収集系統について  各研究機関に所属する委員から説明がなされた。 2-1. 京都工芸繊維大学  Bloomington Drosophila Stock Centerより、欠失系統のキット、バランサー 系統、GFPなどのレポーター系統、モザイク解析用等のFRT系統などの収集を優 先すべきとした。  GS(国内)、FRT(国外)、ピギーバック(国外)、その他の系統の受け入 れについては、国内のショウジョウバエコミュニティに意見を求めることとし た。その際、それぞれの系統の有用性について、取り寄せ先のホームページの アドレスなどを紹介し、参考にしてもらうこととした。  個々の研究機関から受託を要請された系統の受け入れについては、継続審議 とした。  国内のショウジョウバエコミュニティに対し、ショウジョウバエ遺伝資源セ ンターを積極的に利用するよう、運営委員会として推進することとした。  系統分類講習会について、講習会の意義、目的、講習会資料の公開などを議 論した。 2-2. 国立遺伝学研究所  RNAi変異系統の作製の順位について、国内のショウジョウバエコミュニティ に意見を求めることとした。  NP系統の収集・維持・提供を優先することとし、系統収集の具体的方策につ いて、京都工芸繊維大学と分担を協議することとした。 2-3. 杏林大学および愛媛大学  多くの種の近交系の作製が望ましいとの意見があった。  近縁種における形態の多様性に関するデータベース充実の要望が出された。 2-4. 各機関共通  系統を提供するにあたっての経費の徴収方法について、文部科学省と調整中 であり、海外研究機関への系統の提供は、現在困難な状況であること、国内研 究機関に対しては、海外への提供業務に先行して、系統費を無料で提供し、運 送料は着払いで行うことが了承された。  系統をリクエストした側に対して、教育・研究以外に用いないなどの同意を 得る内容とその方法について議論した。ウェブ上の文書に同意したユーザだけ が、系統のリクエストができるシステムを採用し、リクエストしたことにより 文書に同意したものとみなすショウジョウバエ遺伝資源センター案とMTA (Material Transfer Agreement:遺伝資源移転契約)様式をダウンロードで きるようにし、サインしたものを郵送してもらう遺伝研案が説明された。両者 の案を今後擦り合わせてはどうかとの意見が出された。  本プロジェクト終了後にも系統維持を継続するための対応について議論した。 3. その他 3-1. 研究運営委員会の概要を基に、運営委員会の任務について議論した。委 員会は、研究代表者のイニシアチブの下、研究課題の円滑な推進を図る ことにあり、その任務の1つとして年次計画の検討・修正がある。その 中に予算額・配分を含めることを確認した。事業計画が年次計画であり、 年度毎に課題関係者が一部変わることなどが予想されるので、委員の任 期は1年と理解される。 3-2. 議事録は委員長の決裁後、京都工芸繊維大学ショウジョウバエ遺伝資源 センター(中核機関)のウェブページで公開し、Jflyメーリングリスト に公開を通知することとした。また、本ナショナルバイオリソースプロ ジェクト「ショウジョウバエ」の広報活動を上村委員、上田委員が支援 することになった。 3-3. 各運営委員が国内のショウジョウバエコミュニティの意見を吸い上げる よう努め、来年度の申請(12月締切予定)前の運営委員会で議論するこ ととした。 3-4. 次回の運営委員会は、10月下旬から11月中旬の間に設定する。 --------------------------------------------------------------------- MTA(Material Transfer Agreement)の和訳は、 文部科学省のウェブページ 「生物遺伝資源などの知的基盤整備に関する調査 1)」 http://www.mext.go.jp/a_menu/kagaku/chousei/news211.html によった。