バイオの世紀への入門
〜 ショウジョウバエは面白い 〜
2日目:2001年11月4日

バナナトラップからのショウジョウバエの採集、ショウジョウバエからDNAを抽出し、遺伝子の増幅を行ないました。

午前10時すぎ、附属農場のバナナトラップを置いたことろへ行き、ショウジョウバエを採集しました。今日は晴れてよかったのですが、気温が低くかったためか、「あんまりショウジョウバエがいな〜い」。

まず、野外へ(ルンルン♪)
トラップからショウジョウバエを採集。
採れたかな?
実験室へ戻って野外のショウジョウバエを観察。
どんな種がいるんだろう?

キハダショウジョウバエ( Drosophila lutescens )、オウトウショウジョウバエ( Drosophila suzukii )、オオショウジョウバエ( Drosophila immigrans )が採集できました。もっと、たくさん採れると場所によって種の構成の違いがわかるはずでしたが。

DNAの抽出と遺伝子の増幅の実験を行ないました。PCR反応によって増幅したのは、white 遺伝子とアルコール脱水素酵素(adh)遺伝子です。中学、高校の理科の学習内容の範囲の外なので、講義も受けました。

松林先生(博士研究員)による講義
サーマルサイクラーを使って、
PCR反応を行ないました
井上先生による講義
PCR反応の合間。PCR反応は時間が
かかるのです(今回は約1時間半)

PRC反応が終わり、遺伝子DNAが増幅したら、電気泳動法によって、増幅したDNAを観察しました。

マイクロピペットを使って、サンプル
(DNA溶液)をゲルの小さな穴に入れます
ただ今、電気泳動中!
DNAはマイナス電荷を持つので、
プラス極に向って移動します(写真では左へ)
電気泳動が終わったら、
ゲルを取り出します
紫外線を照射し、
DNAのバンドを確認
「ここには、white遺伝子が、
ここにはアルコール脱水素酵素(adh)遺伝子
のバンドが見えています。」
右のゲルの写真を拡大すると、左から順に
whiteadhwhitewhiteadhadh
バンドが見えます。 white のバンドは濃く、
adh のバンドは薄め。white
増幅産物のほうが長いことも分かります
(注意:プライマーの設計がこうなっている)。
左から7番目はDNAの長さのマーカーです
ゲルの写真をひとり1枚ずつもらいました

ショウジョウバエを材料にした体験実習はここまで。 事故もなく無事に終了できました。
印象に残るいい体験ができましたでしょうか。

1日目へ

会場や実体顕微鏡を提供して下さった、 本学繊維学部附属農場に感謝いたします。
このプログラムは、 子どもゆめ基金 (独立行政法人 国立オリンピック記念青少年総合センター) の助成を受けています。

$Date: Mon Nov 05 11:17:05 2001 $
By 都丸雅敏
Email: tomaru@kit.jp