高野・杉江・都丸 研究室へようこそ

高野 敏行

「歴史を再現し、今を知り、そして明日を視る」; 明日のための進化ゲノム学

生命活動は正確であるとともに頑健(ロバスト)でなければなりません。遺伝子の調子がちょっと悪かろうが、間違いが起ころうが、私たちは少々の逆境にもへこたれません。
一方で、生命は進化することを止めることもありません。環境に適応する進化能を併せもちます。遺伝学や発生生物学などのウエットな実験と集団遺伝学を基盤とする理論生物学とコンピューターシミュレーションを駆使したドライな解析の両面から、頑健性と適応という一見、相反する生命現象を支える遺伝子と細胞の働きを明らかにします。

私たちが運営する Kyoto Drosophila Stock Center は現在、25,000を超えるショウジョウバエ系統を維持・管理しています。豊富な遺伝資源と恵まれた研究環境を生かし、日々研究に励んでいます。
頑健さは年齢と無縁ではありません。頑健さを通して老いること、死をみつめなおします。不老不死ではなく、生と死、老いについての理解を深めることで減薬社会をめざします。

具体的には現在、次の研究課題に取り組んでいます(研究内容のページへ)。

  • 遺伝子発現を制御するシス−トランス因子間の分子共進化
  • 発生過程の頑健性を支えるメカニズム
  • 器官のサイズコントロールとサイズの進化
  • 生殖学:雑種不妊にみられる脆弱な精巣形成の理由
  • 配偶行動・雌雄のコミュニケーション
  • 遺伝子ネットワーク構築法の開発

お問い合せは 高野 敏行 まで。

杉江 淳

私たちの研究室では、「神経細胞の頑健性のメカニズム解明」および「神経系疾患研究への貢献」に焦点を当てています。我々の研究は、神経細胞が過度な活動にどのように耐え、その耐性が神経変性疾患においてどのように変化するかを探求しています。この研究の一環として、ショウジョウバエの視神経細胞を用いた光刺激による神経の過活動モデルを開発し、その分子病態機構を解明しています。さらに、機械学習を活用した自動定量化プログラム「MeDUsA」を開発し、神経細胞の頑健性に関連する分子の同定と病態解明を進めています。

また、ショウジョウバエを利用して遺伝子変異の病的意義を明らかにし、希少疾患や優性遺伝性視神経萎縮などの神経疾患研究に貢献しています。ショウジョウバエの利用は、時間とコストの制約がある中でも多くの未解明な遺伝子変異の効果を効率的に検証することを可能にします。ショウジョウバエのシンプルさと迅速な遺伝学的解析は、ヒト疾患研究を補完し、新しい治療法の開発へと繋がる可能性があります。

我々は、基礎研究と臨床研究の架け橋として機能し、神経の生存メカニズムの解明から神経疾患への理解、さらには診断への貢献を目指しています。

〒616-8354
京都市右京区嵯峨一本木町1
京都工芸繊維大学
ショウジョウバエ遺伝資源センター
Tel: 075-873-2660 (代表)

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