2020年8月17日・18日
内容は
- アルコール脱水素酵素の変異体(Adh)を用いたアルコール耐性の実験
- 様々な変異体の観察
- 野外採集
です。
参加生徒は1年生と2年生が6人ずつ。附属高校の井上先生や実験助手の方のサポートもあり、無事完了。
アルコール耐性の実験は、結果の解釈が難しかったようでした。これは、科学を学ぶ者の通る道なので、よい経験になったのではと考えています。現在の中高生の数学のカリキュラムでは折れ線グラフを作ることがないのも、解釈の手掛りの少なさの理由なのかもしれません。
様々な変異体の観察では、変異を知らせていない10種類の系統(複眼の形、複眼の色、体色、翅の形の変異)と、Antennapedia を見てもらいました。体色や眼色の区別は難易度が高かったようです。
野外採集では、捕虫網を使ったスイーピングとバナナトラップのわなを使いました。暑かったためか(気温37度C)、ほとんど採集ができませんでした。とはいえ、バナナトラップで3匹だけ採れました。しかも、運よく別種でした(下)。
- ヒョウモンショウジョウバエ(Drosophila busckii)
- ノハラカオジロショウジョウバエ(Drosophila triauraria)
- キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)
感想を書いてもらったところ、生徒には概ね好評だったようです。難しかったとの感想もいただきました。わざわざ大学から高校まで行って実施した特別授業なんですから、高校生に簡単と思われるようなことはいたしませんぜ、というところですね(笑)。
この特別授業は、これまで、本学嵯峨キャンパスにて実施していました。しかし、新型コロナウイルス感染症に関する対応として、今年は高校生に本学キャンパスに来てもらうことができなくなりました。そこで、伏見区深草にある京都教育大学附属高等学校まで、担当の都丸がショウジョウバエや道具のいくつかを持って行き、実習を行いました。
※ アルコール耐性実験は、従二直人、山本雅敏、都丸雅敏 2008 ショウジョウバエを用いたアルコール耐性実験の教材化 京都工芸繊維大学学術報告書 第1巻(平成20 年3 月)1–19 を改良したものです。
(文責:都丸)