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第12回日本ショウジョウバエ研究会(JDRC12)で発表

Posted in センター活動,教育・研究 on September 09,2016

2016年9月9日から11日まで立教大学にて開催された、「第12回日本ショウジョウバエ研究会(JDRC12)」において下記のそれぞれ1件の口頭発表とポスター発表を行いました。


"Enhancer activity of human ultra-conserved elements in fruit fly" (Session 3-5: 大迫(発表者), 中野, 松田, 都丸, T.L. Karr, 高野)
"Signaling pathway and glial subtype required for dead neural cell clearance in the developing Drosophila optic lobe" (Poster-48: 中野(発表者), 都丸, 高野)


計3日間、ときには午前9時から午後6時半までセッションが続く長丁場もありました。しかし大きなハプニングもなく、それぞれの発表を無事成功させることができました。今回の学会では発表する機会のない学生達も、英語で行われた口頭発表にも積極的に参加し、英語で発表者に質問する場面もありました。またポスター発表では普段交流する機会の少ない、様々な分野の研究者・学生と意見交換でき、有意義な時間を過ごせました。
(中野)


以下に今回発表した2題の発表要旨を記載します。

Session 3-5
Enhancer activity of human ultra-conserved elements in fruit fly
大迫隆史1), 中野吏洋助2), 松田健3), 粟崎健4), 都丸雅敏2), Timothy L. Karr2), 高野敏行2)
1) 京都工芸繊維大学 高度技術支援センター
2) 京都工芸繊維大学 ショウジョウバエ遺伝資源研究部門
3) 京都工芸繊維大学 応用生物学専攻
4) 杏林大学


比較ゲノム解析により、数百塩基対の非翻訳領域の多くが、数億年にわたる脊椎動物の進化を通じて非常に高度に保存されていることが明らかにされている。そこでこの超保存配列の生体内における機能と相互作用因子を明らかにするために、本研究ではGAL4もしくはQF遺伝子に5種類のプロモーターをそれぞれつなぎ、その上流にヒト超保存配列を組み込んだキイロショウジョウバエ系統を現在までに約500系統作製した。これらGAL4, QF系統を用いてレポーターGFPを胚期および幼虫期で発現させ、GFPの発現する組織を調べることでそれぞれの超保存配列が持つエンハンサー活性をアッセイした。作製した系統は本学のKYOTOストックセンターから提供予定である。


Poster-48
Signaling pathway and glial subtype required for dead neural cell clearance in the developing Drosophila optic lobe
中野吏洋助1,2), 岩村将志1), 帯川明子1,2), 寺内篤史1), 戸金悠1), 原祐介1), 福原敏行1), 都丸雅敏2), 高野敏行2), 辻村秀信1)
1) 東京農工大学
2) 京都工芸繊維大学


発生中のショウジョウバエ視葉では多くの神経細胞がプログラム細胞死を通じて死ぬ。これら神経死細胞の速やかな除去は通常の視葉の発生および形成に不可欠である。以前の研究から、貪食レセプターのdraper (CED-1/JEDI/MEGF10の相同分子)はグリア細胞で発現し、神経死細胞の除去にはたらくことが分かっている。しかし、死細胞除去に必要なシグナル経路、およびグリアサブタイプは未だ明らかでない。本研究ではそのシグナル経路とグリアサブタイプの解析を行い、さらにDraperと他の貪食レセプター候補、およびDraperのリガンド候補の機能解析も同様に行った。


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