京都工芸繊維大学

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第19回 公開セミナー


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第19回ショウジョウバエ遺伝資源センター公開セミナー

日時:平成18年8月29日(火)14時00分~17時00分
場所:京都工芸繊維大学嵯峨キャンパス学道会館大研修室
参加資格:不問(予約は必要ありません)


 古澤 壽治 氏(本学 生物資源フィ-ルド科学教育研究センター教授)

 演題:『カイコ卵の休眠代謝と耐寒性』

 カイコの休眠卵と非休眠卵に蓄積するソルビトールは卵の過冷却点の降下と休眠継続に寄与するとともに、胚の発育にも影響を及ぼす。 このソルビトールは、休眠卵ではphosphofructokinase(PFK)がリン酸化され不活性ため、生成される。 そして、胚の発育の中期よりPFKが脱リン酸化されることによって活性化され、解糖系が作動する。 また、卵が置かれる保護温度下では、PFKは2量体や6量体の状態になることによって活性が調節されると推察され、休眠および非休眠卵のソルビトール蓄積とPFKの活性調節機構および耐寒性との関連を述べたい。
 


 島田 公夫 氏 (北海道大学低温科学研究所助手)

 演題:『ハシリショウジョウバエの休眠誘導における概日時計遺伝子の役割』

 昆虫の休眠を誘導する光周反応における測時機構(光周時計)については、数多くの数理モデルが提出されてきたが、その実体は依然として不明で、分子レベルでの解明が試みられている。 私もハシリショウジョウバエの一種、Chymomyza costataを研究対象にして、この問題に取り組んでいる。 今回は、チェコの昆虫学研究所の人達との共同研究によって得られた成果をもとに、概日時計遺伝子のひとつであるtimelessが光周時計 にも関っている可能性を示す。


 後藤 慎介 氏 (大阪市立大学大学院理学研究科講師)

 演題:『ショウジョウバエの温度耐性の獲得』

 ショウジョウバエをはじめ、多くの昆虫は熱帯に起源し、そこから温帯、冷帯へと 進出してきたと考えられている。この過程において低温耐性の獲得は必須である。で は、どのような過程で、またいかにして低温耐性を獲得したのだろうか?本講演で は、キイロショウジョウバエ種群に属する種の低温耐性、種間の低温耐性の違いとス トレスタンパク質Hsp70の発現、低温耐性の獲得に関与すると考えられる新規の遺伝 子について紹介する。

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