「カイコガ精子成熟に係わる分子基盤解明への挑戦」
講師:長岡純治氏
京都工芸繊維大学大学院 工芸科学研究科 応用生物学部門 昆虫生理機能学教室
昆虫バイオメディカル研究センター
日時:平成20年6月18日(水) 午前9時15分〜10時30分まで
場所:京都工芸繊維大学嵯峨キャンパス学道会館小研修室
講演要旨:
蚕品種の育種に限らず,昆虫遺伝子資源の保存において,従来の交尾や交配に頼ったやり方では限界があり,これを打破するためには,人工授精法の確立が必要である。カイコガでは,1938年に大村が前立腺に精子成熟因子が存在することを最初に報告し,1980年代後半には,小山内らによりその因子は,トリプシンに類似したセリンプロテアーゼ「イニシャトリン」であり,その作用によって引き起こされる反応カスケードを「アルギニン分解カスケード」として提案した。そして,1999年には,竹村らによりトリプシンを利用した高効率な人工授精に成功した。
本セミナーでは,カイコガ精子成熟研究の歴史,特徴を紹介するともに,近年の我々によるカイコガ精子成熟に係わる分子基盤解明への取り組みを紹介したい。
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ショウジョウバエ遺伝資源センター
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