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国内セミナー情報【2010年11月】

第15回慶應医学賞授賞式・受賞記念講演会
日時 : 2010年11月29日 (月) 14:00 - 17:40
場所 : 北里記念医学図書館2階 北里講堂 (MAP (32番の建物です))
受賞者 :  審良静男 博士(大阪大学免疫学フロンティア研究センター拠点長)
「自然免疫システムにおける微生物認識と免疫応答機構の解明」
動物の免疫系は自然免疫と獲得免疫に大別されます。自然免疫系は異物を認識排除し、獲得免疫系のリンパ球に抗原を提示する役割がありますが、樹状細胞やマクロファージなどの自然免疫系細胞が微生物等を認識して反応する機構は十分に解明されていませんでした。審良博士は、Hoffmann 博士らがショウジョウバエの自然免疫応答に関わる分子として提唱したToll like 受容体(TLR)について、10 種類あまりの TLR ファミリーのノックアウトマウスの作成と解析を通じて、TLR がどのような病原体成分を認識するのかを明らかにしました。また、TLR の下流シグナル伝達系の解明、TLR による免疫応答制御など、自然免疫応答におけるTLR の意義を確立しました。さらに、TLR 以外の微生物感知システムも明らかにし、自然免疫応答の分子機構の解明に多大な貢献をされました。今後、疾患の免疫病態の解明や免疫制御法の開発が期待されます。

Jules A. Hoffmann 博士(フランス国立科学研究センター細胞分子生物学研究所、ストラスブール大学教授)
「昆虫における自然免疫システムとToll 受容体の発見」
自然免疫システムは、侵入した細菌などの異物をいち早く取り除くための重要な生体防御機構ですが、その分子機構は長らく未解明でした。Hoffmann 博士は、ショウジョウバエを用いて、この自然免疫にToll 遺伝子が重要な役割を果たすことを見出しました。受容体分子であるToll は微生物に対するセンサーとして働き、シグナル伝達経路を活性化して抗菌ペプチドの産生を促進します。この発見が自然免疫研究のブレークスルーとなり、哺乳動物においてもToll like受容体(TLR)が次々に発見され自然免疫システムの理解が一挙に進みました。彼らの研究成果はヒトの免疫システムの理解に貢献し、現在ではワクチン作成の際のアジュバント(免疫増強剤)の開発や新規抗ウイルス剤の開発に役立っています。

URL : http://www.ms-fund.keio.ac.jp/index_jp.htm
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