Kyoto Institute of Technology
Posted in 教育・研究 on October 23,2014
この4月まで研究員だった安野雄策さんが昆虫バイオメディカル教育研究センターの井上喜博 准教授、山本雅敏 ショウジョウバエ遺伝資源センター前教授と昨年、Genes & Genetic Systems誌に発表した論文がGGS PRIZE 2014 を受賞しました(http://gsj3.jp/bpggs.html#02)。この賞は毎年、日本遺伝学会誌Genes & Genetic Systemsに掲載された論文から1編あるいは2編の優れた学術論文を選び、贈られるものです。
なお、受賞論文は下記の通りです。
安野さん、おめでとうございます。(TSK)
ショウジョウバエでは性比がゆがむ突然変異が古くから報告されていますが、そのメカニズムはまだ十分には解明されていません。オナジショウジョウバエの自然集団から単離した性比ゆがみ突然変異excess of females (exf)の雄と交配させた雌から生まれる子の性比は1対1にならず、雄の割合が極端に減少します。今回の論文では、性染色体特異的プローブを用いたFISH法による解析から、exf雄の精子形成過程ではY染色体を持つ精細胞核が正常に伸長しないことを明らかにしました。これはY精子の形成不全がexfの性比ゆがみの原因になっていることを示唆します。(安野雄策)
Elimination of Y chromosome-bearing spermatids during spermiogenesis in an autosomal sex-ratio mutant of Drosophila simulans.
Yasuno Y, Inoue YH, Yamamoto MT. 2013. Genes Genet Syst 88: 113-126. DOI: 10.1266/ggs.88.113 Text