Department of Drosophila Genomics and Genetic Resources Center for Advanced Insect Research Promotion
Kyoto Institute of Technology
Saga Ippongi-cho, Ukyo-ku, Kyoto 616-8354, Japan
Phone: 075-873-2660
Facsimile: 075-861-0881

DGGR NEWS & EVENTS

  1. Home
  2. DGGR News & Events
  3. 日本遺伝学会第87回大会で研究成果を発表

日本遺伝学会第87回大会で研究成果を発表

Posted in センター活動,教育・研究 on September 26,2015

2015年9月24日から26日まで、東北大学において開催された日本遺伝学会第87回大会において下記の2件の研究成果発表を行いました。


"ヒト化ショウジョウバエを用いた脊椎動物の長保存配列の機能解析"(3F-09,大迫, 松田, 都丸, 高野)を大迫が、
"ヒト男性不妊遺伝子のショウジョウバエorthologの雄の妊性への関与"(2B-09,中塚,渡邉,都丸, 高野)を中塚が発表しました。


はじめての学会参加となり、発表日までは緊張のあまり仙台のごちそうを満喫することが出来ませんでした。
そして発表中もハプニングが起こり、多少慌てましたが、練習や添削に付き合ってくださったみなさまやこびとさんのおかげで、何とか無事終えることが出来ました。


この3日間は普段経験することのない貴重な体験ばかりで、とても刺激的なものになりました。
このような機会を与えてくださったボスに感謝し、これからも頑張りたい(と思います。) (MN)


以下に今回発表した2題の発表要旨を記載します。


3F-09
ヒト化ショウジョウバエを用いた脊椎動物の超保存配列の機能解析


大迫隆史1)、松田健2)、都丸雅敏3)、高野敏行3)
1)京都工芸繊維大学、高度技術支援センター
2)京都工芸繊維大学、応用生物学専攻
3)京都工芸繊維大学、ショウジョウバエ遺伝資源研究部門


脊椎動物ゲノムには、非翻訳領域であるにも拘らず数百塩基対にわたって著しく高度に保存された超保存配列が存在する。私たちは、その機能と相互作用因子を明らかにするために、ヒト超保存配列とGAL4遺伝子の融合遺伝子を組み込んだキイロショウジョウバエ系統を、現在までに約300系統作製し、これら超保存配列のエンハンサー活性をアッセイしている。今回、胚期および幼虫期での発現を調査した結果を報告する。これまでに調査した配列は、いずれも3齢幼虫期の脳で配列特異的な発現パターンを示した。作製した系統は本学のKYOTOストックセンターから提供予定である。


2B-09
ヒト男性不妊遺伝子のショウジョウバエorthologの雄の妊性への関与


中塚三保子1)、渡邊昌秀2)、都丸雅敏2)、高野敏行2)
1)京都工芸繊維大学大学院 工芸科学研究科 応用生物学専攻
2)京都工芸繊維大学 ショウジョウバエ遺伝資源研究部門


精子形成は複雑な過程で、多くの遺伝子が関与すると考えられるが、実際に雄の妊性に関わる遺伝子として同定されたもの、機能が明らかになったものはいたって少ない。そこで、ヒト男性不妊遺伝子から新たなショウジョウバエ雄不妊遺伝子の同定を目指した。男性不妊に関与する遺伝子として、これまでに405遺伝子が知られている(Gendoo)。本研究では、ショウジョウバエorthologがみつかる102個の遺伝子の精子形成への関与をRNAi法によって調査した。その結果、使用した4種の発現ドライバーのうち少なくとも1つで妊性が低下した遺伝子が73個あり、そのうち60個は新規の雄不妊関連遺伝子と考えられた。


20150926.jpg