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第4回ナショナルバイオリソースプロジェクト「ショウジョウバエ」運営委員会議事録

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日 時: 2003年12月12日(金)18:30~19:45
場 所: 日本分子生物学会会場(神戸ポートアイランド)
出席者: 布山 喜章 (元東京都立大学教授)
多羽田哲也 (東京大学教授)
山本 雅敏 (京都工芸繊維大学教授)
上田  龍 (国立遺伝学研究所教授)
松田 宗男 (杏林大学教授)、 
大坪 憲弘 (オブザーバ、文部科学省研究振興局ライフサイエンス課専門官)
都丸 雅敏 (オブザーバ、京都工芸繊維大学助手)
石川  均 (オブザーバ、京都工芸繊維大学研究協力課専門員)
森下 直也 (オブザーバ、京都工芸繊維大学研究協力課主任)
欠席者: 上村  匡 (京都大学教授)
木村 正人 (北海道大学教授)
高野 敏行 (国立遺伝学研究所助教授)
和多田正義 (愛媛大学助教授)

 
議事に先立ち、布山委員長より、下記のように予定された議題と報告事項の内容の関連性を考慮し、報告事項と議題とを相互に取り入れて議事進行させたい旨の提案があり、了承された。

予定された議題と報告事項

議題
1. 平成16年度事業計画について
2. その他
報告事項
1. 平成15年度事業進捗状況について
2. ゲノム解析事業について
3. その他

以上

1.平成15年度事業進捗状況と平成16年度事業計画
 山本委員より、下表に基づき、平成15年度事業進捗状況及び平成16年度 事業計画について説明があり、審議の結果、承認された。
F
機関 事業項目 平成15年度進捗状況
京都工芸繊維大学 系統の維持
14,773
GS系統(東京都立大学)は検疫作業中
系統の収集
1,000
強制発現系統(UCLA)
384
プロテイントラップ系統(Cornell)
国立遺伝学研究所 系統の維持
5,700
 
系統の収集
500
RNAi系統の整備
愛媛大学 系統の維持 378系統 46種
ショウジョウバエの採集 60系統 26種
系統の収集 20系統 16種
杏林大学 系統の維持
(計 382 系統)
カスリショウジョウバエ
34 突然変異; 2 野生型
アナナスショウジョウバエ類
130 突然変異; 200 野生型
キイロショウジョウバエ類
11 突然変異; 5 野生型
系統の収集
(計 199 系統)
カオジロショウジョウバエ類
17 突然変異; 2 野生型
アナナスショウジョウバエ類
180 突然変異・野生型
業務 研究機関 平成15年度進捗状況
系統の提供 京都工芸繊維大学 ・国際的提供体制の確立と本格的提供の開始
(FlyBaseトップページからリンクされている)
・提供に係わる手続きの合理化
(データベース、検索、提供依頼、梱包、発送)
国立遺伝学研究所 本格的提供の開始(NP系統)
愛媛大学 国際的提供も開始
杏林大学 本格的提供の開始
情報発信 京都工芸繊維大学 12,475 公開中・検索可能
国立遺伝学研究所 4,300 GETDBとリンクし、提供依頼できる
500 RNAi(年度内に公開)
愛媛大学 京都工芸繊維大学より公開
杏林大学 京都工芸繊維大学より公開
全機関 各機関で維持している全系統を中核機関から公開
系統分類講習会 京都工芸繊維大学にて開講 ・入門コース(8月23日~25日)
・アドバンスコース(11月1日~3日)
機関 事業項目 平成16年度計画
京都工芸繊維大学 系統の維持 18,000~20,000 系統 最大維持系統数まで
系統の収集 導入機関と系統の選定が必要
国立遺伝学研究所 系統の維持 6,000 系統
系統の収集 500 RNAi系統整備継続
愛媛大学 系統の維持 430系統 55種
ショウジョウバエの採集 飼育困難な系統の採集 → アルコール漬け
杏林大学 系統の維持
(計 482 系統)
カスリショウジョウバエ
34 突然変異; 2 野生型
アナナスショウジョウバエ類
400 突然変異・野生型
キイロショウジョウバエ類
11 突然変異; 5 野生型
カオジロショウジョウバエ類
20 突然変異; 10 野生型
系統の収集 アナナスショウジョウバエ類
ノースカロライナ大学より収集予定
ハシリショウジョウバエ属
北海道大学より収集予定
業務 研究機関 平成16年度計画
系統の提供 京都工芸繊維大学 ・継続して提供
・課金体制の確立を予定
国立遺伝学研究所 ・継続して提供
・課金体制の考慮
愛媛大学 ・継続して提供
・アルコール標本での提供も考慮
杏林大学 ・継続して提供
・染色体配列情報の付加
情報発信 京都工芸繊維大学 ・継続・発展・アップデート化
・検索の高速化
国立遺伝学研究所 ・RNAiのデータベース化
・アップデート化
愛媛大学 ・アップデート化
杏林大学 ・アップデート化
全機関 ・データベースの統合化を図り、検索、提供の設置
・遺伝研総合情報センターとの共同開発を検討系統分類講習会
・アドバンスド(または、実践)コースを京都工芸繊維大学にて開講
・関東での入門コース開講を検討
・その他の講習会の開催を検討

1)維持系統
 RNAi系統の増加に対応するため、国立遺伝学研究所で維持しているNP系統の うち、京都工芸繊維大学と重複する約2,000 系統は、破棄する方向で検討して いる旨説明があり、承認された。京都工芸繊維大学で維持できる系統数につい て質疑があり、GS系統のうち、因子の挿入位置が重複しているものを削除することで、系統維持数の余裕がつくれると山本委員から説明があった。

2)収集系統
 アメリカ合衆国Exelixis社が開発した系統を、基礎研究の研究者に提供するとの申し入れがショウジョウバエコミュニティにあり、京都工芸繊維大学 では、追加して系統を維持できる3,000系統を受け入れることとし、系統の選択を2004年始めまでにしなければならない旨報告があった。欠失染色体を 作るためのFRT系統を収集するか、遺伝子をノックアウトした系統を収集するかなどの方針を決め、系統を収集したいと提起があり、議論した結果、各運営委 員に可能な限り情報を流し、意見を集め、収集する系統を京都工芸繊維大学で検討することとなった。
 アメリカ合衆国で塩基配列が決定されたウスグロショウジョウバエを杏林大学で収集することになった。

3)情報発信
 各機関で維持している系統を中核機関から公開した旨、次年度はデータベースの統合化を図り、検索、提供できるようにする報告があった。データベースの統 合にあたっては、バイオリソースプロジェクトの情報の中核機関である、国立遺伝学研究所総合情報センターとの共同開発を検討することになった。

4)系統提供
 国際的な分譲体制について、特に課金について議論があり、課金体系は、インディアナ大学ブルーミントンストックセンターと同等とせざるを得ないと、山本 委員から回答があった。また、上田委員から、徴収したら国庫に入れるのか質問があり、大坪オブザーバより、その必要はないこと、バイオリソースプロジェク トとしては、実費をいただくのが全リソースについての基本である旨回答があった。また、課金することになったら予算が減額されるかとの質問が上田委員から あり、課金して収入があった分を減額するという考えはプロジェクトとしてはないとの説明が大坪オブザーバよりあった。

5)分類講習会
 次年度は分類講習会に加え、遺伝子導入(卵へのインジェクション)や抗体染色(胚のβ- Gal染色)などの講習会を開くことについて議論があり、京都工芸繊維大学以外に、国立遺伝学研究所がホストとなる可能性について意見交換があり、委員か ら前向きの発言があった。

2.ゲノム解析事業について
 理化学研究所において、ショウジョウバエ5種のBACライブラリーの製作が進んでおり、15年度中にエンドシークエンスの決定が終わる予定である旨報告 があった。大坪オブザーバより、エンドシークエンスの情報を公開する機関や、BACクローンの配布機関は未決定であるが、ライブラリー作製機関である理化 学研究所からは、配布まで2~3年時間が必要との回答あったため、今年度限りの予算を追加し、中核機関から配布する方向である旨説明があった。
 アメリカ合衆国で進められているゲノムの塩基配列決定に用いるアナナスショウジョウバエを杏林大学から提供した旨報告があった。本プロジェクトのゲノム 解析事業と重なるオナジショウジョウバエとアナナスショウジョウバエについては、相互に補完的な効果があるとの意見が多羽田委員から出された。

特になし


$Date: Dec 12 2003 $
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