京都工芸繊維大学

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第9回ナショナルバイオリソースプロジェクト「ショウジョウバエ」運営委員会議事録

日 時:

2005年11月22日(火)14:00~16:30

場 所:

京都工芸繊維大学ショウジョウバエ遺伝資源センター会議室

出席者:

布山 喜章 (元東京都立大学教授)
上村  匡 (京都大学教授)
高野 敏行 (国立遺伝学研究所助教授)
山本 雅敏 (京都工芸繊維大学教授)
上田  龍 (国立遺伝学研究所教授)
松田 宗男 (杏林大学教授)
和多田正義(愛媛大学助教授)
都丸 雅敏 (オブザーバ、京都工芸繊維大学助手)
小牧 靖昌 (オブザーバ、京都工芸繊維大学研究協力課主査)
林   徹 (オブザーバ、京都工芸繊維大学研究協力課主査)

欠席者:

木村 正人 (北海道大学教授)
多羽田哲也 (東京大学教授)
山崎由紀子 (オブザーバ、国立遺伝学研究所助教授)

議題:
  1. 平成18年度計画について
  2. NBRPシンポジウムでの「ショウジョウバエ遺伝資源」のアピールについて
  3. 本プロジェクトのH18年度以降の継続に向けて
  4. その他

1.平成18年度計画について

山本委員から、次年度は本年度計画を基本的には継続していく方針であり、維持系統数のキャパシティとして25,000 ~ 30,000系統維持できる体制を確立すると説明があった。30,000系統の根拠は、Fly Boardでの話し合いの中で、日本とアメリカで系統を持ち合うのがよいこと、アメリカが維持する系統は25,000 ~ 30,000程度でよいとなったので、日本も30,000を越える必要性は低いだろうということである。

課金体制について、林オブザーバから説明があり、京都工芸繊維大学の学内の手続きは大方済んでいること、バイオリソースプロジェクトの関連があるた め、文部科学省に課金の実施について尋ねたところ、いくつかの点について問い合わせがあり、回答したがそれに対する返答がなく進んでいないこと、などが説 明された。

上村委員から、文部科学省からの回答がいつくるかについて質問があり、山本委員から、11月28日にバイオリソースプロジェクトの額の確定調査があり、ライフサイエンス課から担当者が来るので、そのときに尋ねる予定であると答えがあった。

課金におけるユーザの手続きについて、質疑応答があった。

上村委員から、25,000~30,000系統維持してしまったら、平成19年度以降どうするのかとの質問があり、山本委員からこの数字は実際に維 持する数ではなく、 維持体制の確立であり、いわゆるキャパシティの確保、有用系統の選択など合理的系統維持の目安としたい旨回答があった。

ケンブリッジ大学(英国)からのpiggyBac系統の受け入れについて質疑があった。山本委員から、多数の系統を受け入れるのは2,3年後になる 可能性もあるので、キャパシティを作っておきたいとの発言があった。また、新規系統の大規模な開発のグラント申請にあたっては、研究推進により発生する遺 伝資源の収集・維持の計画が求められるようになってきた(英国の例。米国も同様の動き有)。したがって、大きなキャパシティを持つことで、世界的に有用な 系統を受け入れることが可能な研究機関としての評価につながるとの説明が山本委員よりあった。

ケンブリッジ大学の系統がブルミントンストックセンターにはなく、京都工芸繊維大学にしかないとなると独自性があるので望ましいとの上村委員からの 意見があった。また、ケンブリッジ大学がブルミントンストックセンターに寄託 する可能性について質疑があり、山本委員から、可能性は否定できないが、現 在のブルミントンストックセンターの予算では難しいとの予想が述べられた。

ED系統(ヨーロッパの欠失系統)について質疑応答があった。

2.NBRPシンポジウムでの「ショウジョウバエ遺伝資源」のアピールについて

山本委員より、分子生物学会のパネル展示(12月7~9日)などを行うことの説明があった。ポスターパネルの原案について具体的な検討を行った。

山本委員より、2006年3月7日に京都工芸繊維大学嵯峨キャンパス新棟において 「NBRPショウジョウバエ国際シンポジウム」を行う予定であるとの説明があっ た。招待者は、英国ケンブリッジ大学アッシュバーナー教授、米国インディア ナ大学カウフマン教授、スウェーデン王国ウメオ大学ラスムソン教授であり、国内の演者の追加も可能である。山本委員より、各委員に対して参加や企画・計画 に対しての協力が要請された。

3.本プロジェクトのH18年度以降の継続に向けて

山本委員より、11月16日にバイオリソース推進委員会における意見交換の報告があった。本プロジェクトの継続に向けて重要と考えられる事業について検討する必要性があると山本委員より指摘があった。

(1) 系統の開発と整備
  ショウジョウバエ系統を新しく作製するという意味でのリソースの開発はバイオリソース事業としては適切でない。一方、有用系統の整備は引き続き行 うべきであり、主に系統に付加価値を付けることが必要である点で、委員の意見が一致した。付加価値の一例としては、発現パターン情報である。
(2) 系統維持方法
  凍結保存等安価な維持方法の開発が求められており、これに積極的に対応していく必要がある。
(3) 評価
  利用者からのリソース利用に関する論文等への記載が、ひいては利用者の利益となる点の広報活動を行う。
(4) 無駄のないリソース整備
  研究費の配分決定時に、当該研究により開発された系統の維持と配布をリソースセンターで行うことが研究計画の中で確認されていることなどは、有用な遺伝資源の確保と利用に繋がる。

4.その他

特になし

以上


参 考(議事終了後作成資料)

1.平成18年度事業計画

第9回運営委員会で承認された内容に基づき、平成18年度事業計画を立案した。

機関 事業項目 平成18年度計画と現況
京都工芸
繊維大学
系統の維持

目標:25,000系統
平成17年度実績:16,525系統

  • 真に世界最大系統センターに向けての充実を計る。
    (維持系統数の拡大と提供維持数における世界的レベルを目指す。)
  • トランスポゾン挿入系統の整理
    (挿入部位の重複系統の削除、新規挿入系統の追加、データベースの公開・充実←系統寄託条件に沿ったものとする)
    系統の品質管理向上に重点を置く
  • 系統維持・管理業務の合理化作業の継続
    (国際的系統センターとして機能させるため、系統維持キャパシティを25,000に向上させる。大学の雇用規則に沿った長期プランを実現させる)
  • ダニ、カビの駆除  ダニ汚染検査のルーチン体制
    (平成17年度には、1月~4月末に実施、6月13日駆除完了宣言)
系統の収集

目標:3,300系統
ケンブリッジ大学から、ED欠失系統約300、FRT 約2,000
ノースカロライナ大学から、遺伝的多様系統約1,000

H17年4~10月実績:732系統

国立遺伝学研究所 系統の維持

目標:5,000系統
H17年10月現在実績: 5,125系統
 目標系統数での維持を行うため、DGRCと持合いのNP系統を廃棄し、有用性の高い系統を京都工芸繊維大学と情報交換しながら選択・維持する。

系統の収集

目標: RNAi500系統追加整備 RNAi系統を2,500以上とする
H17年度実績: 年度内に2,000系統を公開する

愛媛大学 系統の維持

目標: 55種 500系統 一部はアルコール標本での維持
H17年10月現在実績: 53種 475系統

ショウジョウ
バエの採集
飼育困難な系統は、採集後アルコール標本とする。
杏林大学 系統の維持 目標: 557系統
キイロショウジョウバエ近縁種に関して17年度、18年度に東京で採集したハエのFrozen 系統の維持
H17年11月現在実績:
カスリショウジョウバエ(野生型、突然変異) 36系統
カオジロショウジョウバエ(野生型、突然変異) 35系統
アナナスショウジョウバエ(野生型、突然変異) 420系統
キイロショウジョウバエ近縁種 18系統
ゲノム解析に用いた系統 15系統
合計 524系統
系統の収集 目標:33系統
アナナスショウジョウバエ近縁種(野生型,突然変異)

 30系統

ゲノム解析に用いた系統  3種
H17年4~10月実績:30系統
業務 研究機関 平成18年度計画と現況
系統の提供 京都工芸
繊維大学

目標:平成17年度実績を超える
H17年4~10月実績:12,813系統

  • 国際的認知度の向上を図る
    (Drosophila Conferenceでのアピール:JDRC, EU, USA)
  • 高品質系統の維持に向け、系統利用者からのフィードバック体制を整備する。
  • NBRPリソース利用の明記と謝辞の記載漏れを少なくする
  • データベースシステム、検索システムの改良を継続する
  • 新しい検索・提供依頼システムに移行する
  • 課金について
国立遺伝学
研究所

目標: 平成17年度実績を超える

  • 系統提供システムの統一化(DGRC-IDの使用)

H17年4~10月実績: 8,726系統

愛媛大学

目標:400系統
H17年4~10月実績: 329系統

杏林大学

目標:150系統
H17年4~10月実績: 83系統

情報発信 京都工芸
繊維大学

現在:DGRC系統リストの公開と提供依頼システムによる運用
 サブ機関の系統リストも公開

計画:新システムへの移行(年度内)DGRC-IDの共有化

  • アップデート化の体制整備
  • 共通検索システム[FLYSTOCK]の並行運用(全機関の統合系統リストの公開)
     国立遺伝学研究所・生物遺伝資源情報総合センターの援助と共同研究で行う


 

国立遺伝学
研究所

現在:系統リストの公開と提供依頼システムによる運用(RNAi系統を含む)

愛媛大学

計画: 維持している種の系統樹をウェブページ上に提供する。
H17年11月現在実績: 系統リストの公開と提供依頼システムによる運用、
  愛媛大学のホームページとEHIME-FLYで外部形態写真を公開

杏林大学

  • 系統依頼リストの公開と提供依頼システムに依る運営
  • 個々の維持系統情報の拡充(逆位情報などの付加)
  • 筑波大学(小熊,澤村)で行われたアナナスショウジョウバエのEST解析の結果を収集し、一般に公開する。
  • 新たに採集または収集された系統で維持を行わない種の個体,系統を公開し、提供事業を行う。
支援と啓蒙 京都工芸
繊維大学
  • 国際的系統デポジトリー研究機関としてのより広い認知を得る。
  • データベースの統合化共同研究
    遺伝研総合情報センター:ショウジョウバエ統合検索システム)
  • 国際シンポジウム「生物遺伝資源と環境」於嵯峨研修・宿泊施設(仮称)
  • 技術講習会等の開催企画の検討
京都工芸
繊維大学
・愛媛大学
・杏林大学

第6回分類講習会(アドバンストコース)の開催(責任者 和多田:愛媛大学)
10月開催(今回は講習参加者の公募を海外にもオープンにする予定)

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