・ | 昆虫学特別セミナー | |||
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日時 | : | 2010年5月19日 (水) 18:00-19:00 | ||
場所 | : | 琉球大学農学部 209教室(中講義室)(MAP) | ||
演者 | : | 高野敏行准教授(国立遺伝学研究所・集団遺伝研究系)(高野研究室) | ||
演題 | : | 発生システムの頑健性を支える冗長性と発生調節の機構 | ||
内容 | : | 個体発生は、常に分子の確率的なゆらぎや遺伝、環境要因の変動の影響を受けています。そのためシステムは正確であるとともに頑健でなければなりません。実際、発生システムは内的(遺伝的)、外的(環境)撹乱に対して非常に頑健です。一方で頑健さを支える機構はあくまで予備であり、本来は必要でないものでれば、こうした働きは失われる傾向にあります。頑健性の機構自体の解明とともに、頑健性がどのように維持されているか理解することを私達は目指しています。実際には"頑健さ"の程度は個体に多大な影響を与えている可能性があります。 発生システムの頑健さは大きく分けて、冗長性と発生調節の2つの機構により成り立っています。冗長性は最も単純には遺伝子重複によって獲得できます.本発表では、遺伝子重複の生成機構と生成率についてデータを示し、重複遺伝子の集団中の運命についての理論的な解析結果からその維持機構について議論します。 一方の発生調節とは発生過程の細胞(組織、器官)障害や外的異常を感知し対処するより能動的な機構を指しています。わたし達は発生調節機構、ことにサイズ調節に関わる新規機構の解明を目指し、ショウジョウバエ初期胚の前後軸を決定するBICOIDモルフォジェンの人工変動に対する発生調節機構について研究しています。この調節機構に見つかる遺伝的変異など、これまでに得た知見を紹介します。 | ||
URL | : | http://w3.u-ryukyu.ac.jp/konken/seminar/index.html |